51+

ライブ三本終えた。
金曜日、シャムキャッツ×moools。日曜日下北沢インディーファンクラブ。今さっき月曜日rojiでソロ。どれも違う雰囲気でとても楽しめた。mooolsとのツーマンはちょっと気合い入りすぎちゃったかな。自分としては硬かった。mooolsみてたら泣けて来た。ものすごいかっこよかったので。


今日のソロはご一緒したのが韓国の404というバンドとWedanceというバンド。韓国の二組が来るという事でナイスな感じにしてやーという話いただいて、面白そうだなあと思ったのでやらせてもらった。

404は韓国の有名な音楽賞の新人賞をもらっていると聞いた。とても興味深い音楽だった。リズムが土臭くて気持ちいいのだけどどうやら歌詞は重めなのかな?と感じて、何についてうたってるのかディフィカルトトゥーセイだと思うけど教えてって聞いてみた。景色じゃなさそうだし、君自身のハートについて?みたいな感じのカタコトの英語で訊ねた。そしたら、ストーリーを歌ってると。ということは歌の中にいるキャラクターについての表現をやってると言ってた。なるほど。あとで歌詞カードじっくり読むつもり。
逆に、「『忘れていたのさ』は吉祥寺とか僕の知ってる地名も出て来たけど、あれは写真を撮るような感覚で歌ってる?」と聞かれて、おおお、その通りだよ!と嬉しくなった。言葉はいっこ分かると早い。

Wedanceはクレイジーなダンスミュージックをソニックユースが好きな変な女の子が歌ってるっていうような感じだった。すごくいい意味で。音楽もちょっと変わってるしメンバーのキャラも変だなあという事にライブの途中でおそらく誰もが気づくんだけど、そのころになるとバンドのプリミティブなメッセージもぐっと芯に迫って来る歌だった。おもしろかった。

『51+』というZINEを買った。韓国のインディーフェスの様子を写真に収めたジンだ。もちろん音は聞こえないけれど写真からどんなバンドなのかそうぞうするのが楽しい。どうやら雰囲気はこっちにすごく似てる。仲良くなれそうな人たちがいっぱい載ってる。
あとがきのところに、日本語で文章があった。すごくグッときた。写真に収められているフェスがどういういきさつでどういうコンセプトを持って行われたのかが書かれている。
小さな規模の音楽の作り手たちの活動に対して、より最適な環境を提供するため、また利益を求めるだけではなく他の地域にも新たな音楽シーンをつってくために作られた組合のもと行われているフェスであること。国家や行政の干渉のなるべく少ないところで「連帯して自分たちの力で」活動できる場を構築することを目的としてること。そして、そういう場がもっともっと生まれてくる事を楽しみにしている、と。

泣けるなあ。

中でも「だよね」と思った51+開催趣旨=伝統についての一行がこれ。

「“インディーズ”ではなく、“自立”というコンセプトのもと、新進アーティストを“攻撃的に”配置する。 ※私たちは“インディーズ”という言葉はあまりに広範囲で中身のないあいまいな名称であると考えている。私たちが何より大切にしているのは“アイデンティティー”である」

これは、誰も言ってないけど多分下北沢インディーファンクラブと一緒なんじゃないかなあ。まあ、基本的には楽しめればいいから難しく考える事ないけど。
でも「インディー」っていうのが僕たちにとって「メジャー」の対義語じゃないし、サイズが小さいとか「自主だ」という意味が重要なんじゃなくて、それはあくまで表層にでてくる分かりやすいワードなのよってことは現場に来ている人以外には伝わりずらいのかなあというのは、たまに、もうちっと知ってもらえたらいいなあとは思うんだな。あ、だからメジャーとかインディーとか実は本来的には関係ないってこと。僕もメジャーでやってみたいし。やることは変わらないはずだから。
「インディー」て言葉が51+のあとがきにあるように「自立すること」であるとすれば(僕はそう思ってるけど)、そういうやつらが集まって一つの町でお祭りをやることって、東京でやってるけど、東京へのカウンターたりえるはずなんだよね。僕たちより外側への進攻。大げさに言えば、一つの価値観の表明。
北海道でライブした時に、「インディーファンクラブに行って、いいバンド沢山見て、ああいうのが札幌でやれたらなあって考えました」って話してくれたコがいた。ああこういうことだなあと思った。そのコたちは今年も来てて、大いに楽しんだ様子。北海道だけじゃなくて、地方から来たって人にけっこう話しかけてもらった。シャムキャッツは二回目から参加させてもらってるけど去年あたりからなんだか広がってるのかなあって感じがしてた。
あと、ここ何年かの東京の面白さ、インディーファンクラブに集約されると言い切れないほどにいいアーティストがいまくるってのがわくわくする。出てないバンド多い。


ちょっとあつくなっちまった〜。


ZINE見てて思ったのはシンプルで、こういうふうに写真で残してそこに言葉を添えることって大事だなあって。そういうの結構苦手だけど、やんなきゃ面白くないなあと。手始めにファンジンでも作ってみるかな、と思ているしだいでございます。